1型糖尿病ってなに?原因と治療法

糖尿病って?

私たちはごはんやパンを食べます。そのなかには『糖』が含まれていて、常に血液中に流れています。(ちなみに炭水化物は糖質+食物繊維のことです)その血液中にどれくらいの糖があるのか?それを示すのが血糖値です。体はこの血糖値を良いバランスで保つために、インスリンというホルモンを膵臓(すい臓)から出します。そのインスリンが糖を連れ出して細胞に取り込み、脳や身体中の維持に使われていきます。ところが、このインスリンが不足または欠乏してしまうのが糖尿病です。たくさんごはんを食べて糖が血液中に溢れると、すい臓は頑張ってインスリンを分泌しようとします。それでもどんどん糖がやってくると、追いつかなくなります。するとインスリンの分泌が弱くなる、遅くなるなど、すい臓の働きが弱くなっていきます。インスリンが少ないと、血液中に糖がたくさん残ってしまいます。すると取り込まれなかった糖は、腎臓を通しておしっこに出てきます。これが病名通りの糖尿病です。検査項目にある『尿糖』がこれです。尿の中にもどれだけ糖が出てしまっているか、ということです。

以上のことから、糖尿病の診断基準に尿糖検査、血糖検査の項目があるのです。

1型糖尿病って?

簡単に言うと、自己免疫の攻撃により血糖値を下げるインスリンというホルモンがすい臓から全く出なくなってしまう病気です。若年性糖尿病、インスリン依存型糖尿病とも呼ばれます。

特徴:すい臓からインスリンが分泌されない。

インスリン自己注射が必要

子供や若い人に多いが、誰でも発症する可能性がある

糖尿病の5%は1型糖尿病

2型糖尿病って?

簡単に言うと、生活習慣の影響やストレスなどで、血糖値を下げるインスリンというホルモンがすい臓から出にくくなってしまう病気です。

特徴:すい臓からインスリンは出ているが、量が少ない、効きが悪い

食事療法や運動療法が基本

糖尿病の95%は2型糖尿病

この両者の違い、おわかりになりましたか?

他にも遺伝による糖尿病、妊娠糖尿病、劇症型糖尿病、などがあります。

同じ糖尿病でも、発症理由で型にわかれているのです。

糖尿病って治るの?

残念ながら、糖尿病は治せません。食事療法、薬物療法、運動療法が治療の三本柱です。血糖値はこの三つで改善することができます。2型糖尿病で軽度であれば、薬に頼らず食事・運動療法で生活できます。しかし裏を返せば薬は使わなくとも、食事制限や運動を意識的にしなくてはなりません。重度になれば飲み薬、更にはインスリン注射が必要になります。1型糖尿病の場合は食前や就寝前のインスリン注射が必須の生活になります。インスリンを外から打たなければ血糖値は上がり続けます。糖尿病は軽度でも重度でも、1型でも2型でも、ずっと付き合っていかなければならない病気です。